2015秋アニメ感想

 アニメ 櫻子さんの足下には死体が埋まっている
 放送2015/10〜2015/12 全12話 評価6.0(10点満点6点が及第点)
 アニメ製作会社TROYCAの初の単独作品は人気ライトノベル原作です。
 良かった部分の感想は二つに絞られます。とにかく背景が美しいという事と、主役の伊藤静さんの姉御系キャラとのマッチングが改めて素晴らしい事。ただ、それだけでした。
 何よりミステリーが主題の作品にも関わらずミステリー部分が非常に雑なのは大きなマイナスポイントとなります。
 毎回、櫻子さんが正太郎君を連れて道を歩いていると事件(主に白骨死体)に遭遇し、それを櫻子さんのスーパーな頭脳によって理由付け(解決ではない)をして終わるばかりで、中盤になると飽きてきます。
 ミステリー作品らしく、最終回付近では今までの事件の黒幕となるキャラクターが登場しましたが、果たしてこれはどうなのか。
 小説もシリーズ化して何作も重ねると「ボス敵」を設定した方が話は続きやすいのかもしれませんが、私個人としては櫻子さんは市井の骨格標本士であって欲しいのです。これでは探偵と変わりません。
 
 アニメ コメット・ルシファー
 放送2015/10〜2015/12 全12話 評価4.5(10点満点6点が及第点)
 アニメ制作会社エイトビット初のオリジナル作品は一言で言って大失敗に終わりました。
 エイトビットが得意なロボットアニメで勝負を賭けたのは当然ですが、ロボット以外の部分、脚本や設定周りがとにかくぐちゃぐちゃ。
 また、前半のんびりと展開し過ぎた結果、後半の展開はかなりカツカツ。特に最終回近辺で今まで敵だったキャラがあっさり味方側になったり、ラスボスが何分も独白したり、本来ならばBパートまるまる使ってやるべき後日談がED曲に合わせて一枚絵の繰り返しだったり。
 キャラクターデザイン、ロボットデザイン共悪くなかっただけに消化不良感ばかり残ります。
 残念ながらエイトビットはしばらく、原作あり作品を手掛けて行くしかなさそうです。

 アニメ ヴァルキリードライブ マーメイド
 放送2015/10〜2015/12 全12話 評価5.0(10点満点6点が及第点)
 おっぱいアニメやゲームを手掛けてきたプロデューサーや監督の作る新作おっぱいアニメ。始めは頭を空っぽにして見るつもりでした。
 ですが、脚本の黒田洋介さんはシナリオに一味加えました。彼のライフワークの一つである「閉鎖された状況下で少しずつ、正気を失っていく人間達」です。
 あまり働かなくても最低限の食料も水も衣服も寝床も電気も提供される。だけと何だか窮屈で閉じた社会・人間関係の中で彼女達は少しおかしくなっています。
 舞台自体は悪くないのですが、ラストバトルがどうにも行き当たりばったりな印象を持ちました。お前らさっき、力尽きただろうが。5分くらいで回復してるし。というシーンの連続です。
 
 アニメ ULTRA SUPER ANIME TIME 2015秋
 放送2015/10〜2015/12 全13話 評価5.5(10点満点6点が及第点)
 10分アニメを3本放送するウルトラスーパーアニメタイムの第2クールです。
 ネットではハッカドールが面白いと評判でしたが、私にはブラックユーモア過ぎて、正直笑って済ませられない部分が多かったです。
 ミス・モノクローム3は何というか、2の2クール目という感じで、わざわざ3にする必要があったのか疑問が残りました。
 そんな中、後半にみるみる面白くなったのが影鰐。このご時世、これだけ紙芝居アニメが放送される事にも驚きですが、巨大生物と人間という古びたテーマを上手く料理していました。もっと予算をふんだんに使えばとんでもない怪作になれたのですが。

 アニメ ご注文はうさぎですか?
 放送2015/10〜2015/12 全12話 評価8.0(10点満点6点が及第点)
 2014年に放送された第1期が大ヒットしたため作られた今作は作品としてより小慣れた印象を持ちます。日常系アニメとしては屈指の出来でしょう。
 ただ、このアニメは世界の全てが可愛く幸せで心がぴょんぴょんする、と思われているのには納得いきません。
 11話のラスト、主人公グループのチノとリゼの父親同士が吹き矢でカクテルの値段を賭けて戦うシーン。2人は過去、軍人として共に戦った戦場・作戦を思い出します。
 ごちうさの世界で語られるのは平和な木組みの街。だけどその街の外では確実に「軍人」が「戦場」で「作戦」を行っている。
 可愛い女の子、綺麗な街並み、平和な日常。だけどその外では一体何が・・・?