このアニメの問題は・・・

 アニメ さくら荘のペットな彼女
 放送 2012/10〜2013/03 全24話
 評価5.5(10点満点6点が及第点)
 第6話で風邪で倒れたヒロインに出す食事がお粥ではなく韓国料理のサムゲタンだったため、ネット上で大批判されたアニメ。ですが、私はこのアニメの問題はそんなことではないと思います。
 まずこのアニメは「スタンダードな三角関係ラブコメ」と、「平凡な主人公空太がさくら荘の天才達に触発されて夢を追いかけるのだが、さすがに世界は甘くなく自分の限界を知って、それでも自分の道を探していく、という成長物語」という2つの要素を主軸にしているのですが、はっきり言ってどっちつかずなのです。ラブコメ部分も成長物語としての部分も完全に消化不良のまま終わってしまいました。
 24話で消化した原作ストックは6巻まで(現在9巻まで発売、10巻が最終巻の予定とのこと)。小説の一巻分をたっぷり4話使って丁寧に描く意図を考えると、おそらく人気があれば第二期を放送して原作を最後まで消化する予定だったのでしょう。ですが、結果論としてはこれは判断ミス。
 一巻をなんとか3話で終わらせて、最後章の部分は原作者と協議の上でのアニメオリジナルにしても良かったかもしれません。
 才能に恵まれない者の辛さ、才能に恵まれた者の苦しみを上手く対比させる描写は悪くなかっただけに物凄く惜しい作品に。
 後、第一クールのOP・EDは動画・曲共に素晴らしい出来だっただけに(特にEDは凄かった)、わざわざ第二クールで変える必要があったのか疑問に思えます。
 このアニメの問題を「サムゲタン」と言う方は余暇の時間はアニメ鑑賞とネット掲示板への書き込みを止めて、政治運動にでも注いだ方が良いでしょう。