彼は「歪み」の象徴だった

 前園真聖が引退した。あれだけ試合に出れない時期があったのに、J1に191試合・Aマッチ20試合はかなり凄い。
 三浦カズJリーグ(それがサッカーとは限らない)の象徴だとしたら、前園はサッカーがアマからプロへ、マイナースポーツからメジャースポーツといった急激な変化によって起きた「歪み」の象徴だったと思う。

 アトランタ組が活躍していた頃、カズはもう古い、井原はもう古い。それよりもブラジルやナイジェリアなどの強豪と戦った彼らの方が世界での経験がある。とかファンだけではなくメディアもこぞって取り上げていました。
 しかし、実際には彼らは一種の「燃え尽き症候群」に近いものを感じていたのではないか。オリンピックは大切だけどワールドカップに出るための助走でもあるということをまだ多くの人がわかっていなかった。それも「歪み」の一つだった。



 あなたのドリブルは本当に素晴らしかった。前園選手。本当にお疲れ様でした。