見えてきたブランドコンセプトと現状での限界

 アニメ 閃光のナイトレイド
 放送2010/04〜2010/06 評価6.0(10点満点6点が及第点)


 テレ東アニメの新ブランド「アニメノチカラ」の第二作目。
 1931年の中国を舞台にしたこの作品は、前作とは打って変わったスパイアクション。イメージテーマ・「The Mission to Complete」のバイオリンの音色とともに始まるアクションシーンは地味ながら見ごたえのある作りをしていました。しかし、後半になると政治色が強くなってかなり減点ポイントと考えざるを得ません。よってこの作品はテレビ版第7話「預言」以前と以後で評価を少し分けなければいけません。
 ただ、派手な装飾を徹底して排した雪菜のヒロイン造型は素晴らしいの一言。彼女を安易にお色気シーンに使わなかったことも製作者の強い意志を感じられます。また、声優の生田善子さんはゼロ年代序盤の最高の声優の一人、今作では静音役で共演した川澄綾子さんと演技スタイルがダブり、彼女にその気があれば10年代の川澄綾子となる素質を秘めています。
 前作の「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」と今作で見えてきたのは「それでもこの世界で生きる」というブランドイメージです。このイメージを守りながら今後もアニメを作って欲しいのですが、少し気負いすぎているのか手堅い作りが目立ちます。申し訳ないですが、一度スペシャルな作品を作れなければ「アニメノチカラ」というブランドは歴史の地味な1ページとして終わらせられかねません。それは見たくないなあ・・・