サッカー日本代表のボランチのポジションは2010〜2014年まで不動だった遠藤保仁・長谷部誠のコンビから世代交代が思いっきり止まっています。
長谷部は未だにレギュラーですし、遠藤の代わりは一時期、鹿島の柴崎が試された事がありますが、なかなか定着せずに、浦和の柏木(本田と同世代)がポジションを奪っています。U-23の中心選手、浦和の遠藤や川崎の大島は将来性は確かですが、2018年には多分間に合いません。
もし、歴史のifがあったならば私は日本代表のダブルボランチは大分トリニータ出身の森重真人・金崎夢生が担っていたと妄想するのです。
彼らが高校卒業で大分トリニータに入団した時のポジションは実はボランチ。森重は守備能力が高い選手でありながらビルドアップのセンスを持つファーストボランチ(守備的ボランチ)として、金崎はセカンドボランチ(攻撃的ボランチ)としては180センチの上背があり、当たりにも強い珍しい選手として。
ですが、当時の大分トリニータの監督のシャムスカは彼らの適性とチーム事情を考えてコンバートを行いました。森重は高い守備力とビルドアップ能力を活かすために3バックの中央に、金崎は不安定な守備の負担を軽減し攻撃力を存分に活かせるトップ下に。また当時のトリニータのダブルボランチは不動のブラジル人コンビが居ました。
その後の彼らの活躍は説明不要です。森重はセンターバックとして2014年ワールドカップのメンバーに選ばれていますし、金崎は万能アタッカーとしての才能を開花させて、怪我が無く順調に成長すれば2018年ワールドカップの主力になるでしょう。シャムスカの眼力は正しかったのです。
だけど、だけど、私は考えてしまうのです。彼らをボランチとして育成していれば、間違いなく今の日本代表のダブルボランチは2人だったと。
対人に強くディフェンスラインのカバーも上手い、にも関わらずパスも出せるファーストボランチの森重真人と長短のパスでゲームを作りフリーランでゴールを強襲、にも関わらず180センチの身長で空中戦でも戦えるセカンドボランチの金崎夢生。2018年、森重真人は31歳、金崎夢生は29歳。選手として最高の時期を迎える日本代表史に残る最強のダブルボランチ。
私はこんな2016年を見たかった。今でも見たいですけどね。