入院した話2

 前回までのあらすじ・手術を受けた私。手術自体は全身麻酔のため一瞬でしたが、ここから苦しみが始まったのです。
 手術が夜の6時に終わって、麻酔のため朦朧としました意識の中で、翌日の朝まで・・・とはなりませんでした。夜9時に目が覚めてしまい、それ以降一睡も出来なかったのです。
 ベッドの上から動いてはいけない。水分を取ってはいけない(といっても点滴は入っていますが)。酸素マスクを外してはいけない。しかも麻酔の影響か、お小水が我慢出来ないのですよね。
 痛いと言われている尿管カテーテルを無理を言って外してもらったため、ベッドの上で尿瓶にする訳ですが、パンツを変える事4回。更に何故か鼻血が一晩中止まらなかったり、2人部屋でしたが、隣が居なくて良かったです。
 翌日の朝8時、ようやくベッドから出て、トイレに行く事が許されましたが明らかに「何か異物が入った痛み」がするのですよね。これは数日間無くなりませんでした。
 手術から2日後の水曜日になると今度は暇になってしまいます。東大病院には図書館があるのですが(白い巨塔も置いてあった)本を読もうにも入院の部屋が暗くてすぐに目が疲れます。テレビを見ようにも耳の手術をしたためイヤホンは付けられません。よって一日中寝るかスマホかという無為な時間を過ごします。
 そんな中、唯一の楽しみは食事。病院食はまずい、というのは間違いです。確かにどれも塩分・糖分・脂分は足りないですが、どれも極めて一般的な味。メニューも鮭のムニエルやポトフなどなかなかのもの。
 そして、東大病院はどんな企業よりも企業と感じました。とにかく分業とマネジメントが行き届いていて、入院していて不便は感じませんでした。
 後、教授が後ろに何人も引き連れて検診する、白い巨塔的なシーンを見るのを楽しみにしていたのですが、全くそんな事はなく、患部の消毒や確認は部屋から歩いて30秒の処置室で行われました。
 土曜日には点滴の管も外れ、日曜日には退院。だけど、本当の苦しみはここから始まったのです。
 続きます。