便利さの果てに私は大切なものを失った

 約6年半使っていたMP3プレイヤーを買い換えました。6年半とは言いますが、ここ数年は埃を被っていましたが。
 新調したプレイヤーである曲を聞いていたら、音割れが。といってもその曲は約6年半前にレンタルショップで借りてパソコンにMP3化した際からずっと気になっていて、でも結局大した問題ではないため放置していたものでした。
 久しぶりに音楽を聞いていると、鑑賞力の細った自分に気づきます。確かにプレイヤーの中には2000曲くらい録音されています。でもその中で聞くのはせいぜい20曲くらい。それどころか、フルコーラスで聞くことすらも無くなってしまいました。一番聞いて別の曲とか当たり前。
 私が中学生や高校生の時、少ない小遣いの中で懸命にレンタル代をひねり出してカセットやMDに録音していた時はそれこそ磨りきれるくらい聞いていたのに。
 確かにMP3プレイヤーが主流になって便利になりました。音質について一言ある人はいますが、少なくとも私は安物デッキでCDとそれを録音したMDとMP3プレイヤーに移してケーブル繋いでデッキから聞いた音(ヘッドホンは耳が痛くなるので使わない)に差を感じることが出来ません。
 もうカセットやMDに戻る事は無いでしょう。でも、私は便利さの果てにもっと大切な何かを失ってしまいました。
 音割れの件は、改めて借り直してCDから聞いてみると演出でした。なんだかとても悲しいわけで。