最高傑作

 漫画 かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜 評価10.0(10点満点6点が及第点)
 あかほりさとる (著), 桂遊生丸 (イラスト)  メディアワークス 05年〜07年

 面白すぎです。絵・ストーリー・分量、全てにおいて私のいままで読んできた漫画の中でも最高傑作と読んでよいと断言できる物です。なので「10点満点」というのはご祝儀でもなんでもなく、私の偽りない本心です。この漫画にあえて本当に良かった!
 ストーリーは引用ですが、書いておきます(問題あったら消します)。
 「生来の女顔で心根の優しい少年・大佛はずむは鹿嶋市立鹿縞高校に通う2年生。
 その日はずむは親友の明日太や幼馴染の少女とまりに励まされ、片想い中のクラスメイト神泉やす菜に告白したものの見事に断られてしまう…。
 傷心を癒すため、やす菜と出会った思い出の地・鹿縞山を訪れるはずむ。
 「忘れるって決めたんだ…生まれ変わるみたいに」
 失恋のショックからか道に迷ったはずむは辺りが暗くなった頃、山の麓で大きな流れ星を見る。
 「またいい恋ができますように」
 そう星に願うはずむだったが、流れ星の様子がおかしい。
 なんとそれは墜落していた宇宙船で、はずむはその墜落に巻き込まれてしまうのだった。
 なんとか宇宙人の手によりはずむは一命を取り留めるものの、肉体の再生時のミスで性別が反転、すなわち男性から女性になってしまい、はずむの日常は一転してしまう!
 そして、その日からはずむ、やす菜、とまりの3人が織り成す複雑でどぎまぎな不思議なふしぎな人間模様の幕が上がるのだった…。
 あにてれ:かしましより」
 
 という破天荒な内容ながら、桂遊生丸氏のイラストや間の使い方が完璧すぎて、もう涙が止まりません。とにかく良すぎて何を言っても自分がちっぽけに感じてしまいそうです、というくらい最高です。
 最後、はずむ君はやす菜ととまりの揺れ動く気持ちに決着を着けてどちらかを選びます。つまり「両方選ぶ」という最近流行のアニメのようなハーレムエンドではないのです。この潔さ。
 性別転換という「現実っぽくなさ」とそれでもどちらかを選ぶ「現実っぽさ」のさじ加減こそがこの作品の魅力ですね。
 
 上でいろいろ書いて見ましたが、やっぱりこの作品の凄さは言い表せません。
 「この漫画のどこがいいの?」そう人に聞かれたら私はこう答えようと思います。「読めばわかる。というか私のようなちっぽけな人間にはこの漫画の大きさは説明できない」と。
 

 http://d.hatena.ne.jp/tatthi/20070323
 http://d.hatena.ne.jp/tatthi/20061027
 http://d.hatena.ne.jp/tatthi/20060331