ポドルスキとは何だったのか

 第97回天皇杯 準決勝 ヴィッセル神戸セレッソ大阪(1-3延長)
 外国人選手が帰国して全員日本人のヴィッセルと、山口、杉本と代表選手が怪我で離脱、清武(スタメン)、柿谷(ベンチ)が怪我明けと中心選手がボロボロのセレッソ
 戦力で劣ると判断したヴィッセルの吉田監督はシステムを4-5-1(4-1-4-1)に変更。中盤の中央を3人にして必死の抵抗を試みます。
 セレッソヴィッセルの守備ブロックに対してロングボールをDFラインとMFラインの間に蹴って山村が競り合う形で対応。日本代表経験もあるゲームメーカー清武がいるのでショートパスを繋ぐ事は出来ますが、難しいと判断したらロングボールに特化する事も可能。
 セレッソの攻撃を必死に耐えて耐えて後半45分にヴィッセル大森のゴールで先制点。ここまではヴィッセルにとって理想的な展開です。その1分後に失点さえしなければ。
 延長に入ると流石に力尽きたヴィッセル。藤田のハンドが取られてPKで失点。その後は前がかりになったヴィッセルにカウンターを浴びせて3点目。これで勝負ありでした。
 セレッソは怪我人続出の中で抜擢された選手がしっかりとプレー。トップ下の福満やボランチの秋山が試合を壊さないから逃げ切りのタイミングでベテランの山下や田中裕介が活きる。
 そして延長後半から見せたセンターフォワード山村をセンターバックに入れて逃げ切るリーグ戦から見せた配置転換。そして3点目のソウザの長い距離を走ってシュートというロングカウンター。ソウザのロングカウンターはルヴァン杯決勝でも決めているセレッソの攻撃の裏切り札と言える武器です。
 ヴィッセルは外国人選手抜きで、ここまで苦しみながらここまで戦ったのは十分賞賛に値する試合だったと思います。
 しかし、ヴィッセルポドルスキ。6億の移籍金と結構な給料を貰っているにも関わらずクリスマス前にあっさり帰国とは。確かに外国人選手は天皇杯の後半には帰ることが多いのですが。
 6億もお金があれば5000万円の代表クラス選手を11人集める事すら可能なのに。何でヴィッセルがこんな補強をしたのかはっきり言って不明です。2012年に代表経験のある選手を何人も補強したけれど大外れで結果的には降格だった事があるとはいえ。
 Jリーグがヨーロッパや中国に資金で勝てるわけがないのですから、お金は選手の育成(10代のユース選手だけではなく35歳を超えたベテランも「育成」を続けないといけません)、監督・コーチ・スタッフの育成、フロントの育成にきちんと掛けるべきだと私は強く思います。
 強いチームは何だかんだで自前選手が多いです。お金を持っている経営者さんはやっぱり自分がスポンサードしている強いチームには興味があってもサッカー自体には興味がないのでしょう。そりゃ、世界トップには追いつきませんよね。