アニメ 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
放送2015/10〜2016/03 全25話 評価7.5(10店満点6点が及第点)
長井龍雪監督・岡田麿里脚本の「とらドラ・あの花」コンビを起用して作る新しいガンダムは今までのガンダムが手がけていなかったテーマを上手く調理しました。
今回のテーマは少年兵と貧困、差別。今までのガンダムではあまり語られていなかったテーマです。
ガンダムの魅力の一つ、モビルスーツも良かった。各陣営ごとに、パワー・機動力・汎用性といった要素の中で何を優先するのかという思想に基いて、陣営内では基本的に同じモビルスーツを使用する。ガンプラの販売にはマイナスですが、マシンの運用という点では納得ですよね。
また、今までのシリーズのガンダムと他の機体との序盤における決定的な差としてのビーム兵器も今作はありません。装甲にラミネート加工されているという設定のモビルスーツはマシンガンではダメージが薄くバズーカもよほど上手く当たらないと決定打にはならない。よって、剣や斧やハンマーやペンチや素手での接近戦の連続になります。
残念だったのは、中盤に少し時間をかけ過ぎてしまい、ラストバトルにおいてイマイチ高揚感に欠けたこと。また、主役機ガンダムバルバトスは倒した敵からパーツを追い剝ぎしてパワーアップするというコンセプトが活かされなかった事です。
非常に良くできたガンダムでしたが、視聴率は振るわずに出演声優のオーディオコメンタリーを入れる始末。SEEDやダブルオーの様に女性客に人気が出る作品を作らないといけないのですよね。
アニメ 蒼の彼方のフォーリズム
放送2016/01〜2016/03 全12話 評価7.5(10店満点6点が及第点)
「恋と選挙とチョコレート」を製作したPC18禁ゲームメーカーブランド(18禁ではない姉妹ブランドもあり)、spriteの2014年の作品のアニメ版です。
空を飛ぶ靴を履いてレースする架空のスポーツ、フライングサーカスでの少女達の挫折と復活をテーマにしているのですが、これが素晴らしいマイルドスポ根物になっているのです。
スポ根ながら、全編を通して何度も強調しているのは、「練習を、試合を、何よりフライングサーカスを楽しむ事」。スポ根ならではの苦しみとは無縁です。
また、アニメ版は恋愛要素をばっさりカットして、全編を通してスポ根でした。ゲームでプレイヤーキャラとなる晶也との恋愛になるフラグはヒロインが自ら折るという、恋愛シーン見たいなら原作ゲームを買ってくれという徹底ぶり。
作画はしょっちゅう不安定になるのですが、少ないリソースは全てヒロインの横乳と脇の描写に集中。無茶苦茶潔い。
ゲームは続編製作を発表。アニメも続編を見たい所ですが、売上から見れば絶望的なのが悲しいです。
アニメ 赤髪の白雪姫 第2シーズン
放送2016/01〜2016/03 全12話 評価7.0(10店満点6点が及第点)
セパレート2クール作品の後半です。第1シーズンは最高の出来だったので、どうしても辛口になってしまいます。それを差し引いても良作である事には変わりませんが。
最たるのがOP・ED。悪くはありません。ですが、第1シーズンのOP・EDは曲もアニメーションも本当に良かった。だからこそ残念なのです。
特にOPは「その声が地図になる」よりも同じCDに収録している「Installation」の方がより作品にマッチしていたような気がします。
シナリオも第1シーズンの頃の一話完結の良さが無くなってしまったのは本当に残念。毎回が最終回というのがこの作品の良い部分だったのに。
ストーリー自体はひたすらに王道。白雪とゼンがラブラブで、暖かく(時には生暖かく)見守る周り。王子と平民、王子と家臣と本来ならば上下関係のはずですが、兄弟姉妹の関係の様で見ていて心地いい。
2クール24話ですが、連載中の原作の半分くらいしか終わってません。3クール、4クールと原作が終わるまでアニメ化し続けて欲しいのですが、売上から考えると無理でしょう。
白雪は薬剤師という設定を活かして、コーエーテクモさん、ぜひ白雪姫のアトリエを作ってもらえないでしょうか。もちろん、キャラクターデザインはあの剣士さんにお願いして。
アニメ おそ松さん
放送2015/10〜2016/03 全25話 評価6.5(10店満点6点が及第点)
一大ブームになったこの作品。もうあらゆる研究や考察がされているので私が殊更に書く必要はありませんよね。
何が売れて何が売れないかなんて、本当にわかりません。
アニメ ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜
放送2016/01〜2016/03 全12話 評価5.5(10店満点6点が及第点)
アニメ製作会社としては珍しく、富山県本拠を置き、聖地アニメを得意とするP.A.Works社の新作です。
前作Charlotteが迷作だっただけに期待は大きかったのですが、結果としてはとんでもない怪作になってしまいました。
吹奏楽部のハルタ(男)とチカ(女)は憧れの顧問の先生と大会に出るのを目標に、メンバーを集めるため彼らの問題を解決していき無事に大会に出場した後、何故かチカ(女)の両脇は2人のメガネ美少女にがっちりホールドされている。
いやあ、怪作ですね。いい意味で!
アニメ 無彩限のファントム・ワールド
放送2016/01〜2016/03 全13話 評価5.5(10店満点6点が及第点)
2000年代中盤、ハルヒやらき☆すた、AIRやKanonなどのヒット作品を連発した京都アニメーションの新作です。
第1話でヒロインの乳揺れを見せつけられた時には一体どうなる事やらと思っていたのですが、これがなかなか面白くなりません。
バトル物なのか日常物なのか、どちらにしたいのか中途半端な展開が続き、ようやく面白くなってきたのは10話辺りになってから。アニメ放送は1クールが当たり前のこの時代に10話まで待たせるのはどうでしょう。
2010年代に入ってから、京アニは迷走を続けています。その中でもFreeの様なヒット作、たまこラブストーリーの様な超傑作を産みだす力はあるのですから、企画力の問題なのかもしれません。