今季は田口宏子さんまみれでした。こんな時もあっていいはずです。

 アニメ ヨスガノソラ
 放送2010/10〜2010/12 全12話 評価7.5(10点満点6点が及第点)
 とにかくあらゆる意味で今季の目玉だった今作。今まであるようでなかったセーブ&リセット方式で全ヒロインのエンディングが完結する手法は素晴らしい。ですが、結果的にどのヒロインも話が相当カットされて舌足らずな結果になってしまったのは残念です。
 全ヒロイン、家族をテーマ(第一部の一葉編は父親との関係・第二部の瑛編は母親との関係・第三部の奈緒編は姉との関係・第四部の穹は妹との関係)としたストーリーは理には適っていても説明不足。特に奈緒編はもう1話あってシナリオをもう少し調整すればあんなに嫌われるヒロインにはならなかったと思います。
 TOKYO MXでは画面が規制の嵐になったHシーンもよくここまで踏み込んだ、というか完璧な18禁アニメとして成立しています。
 DVDのおまけとしてやるべきだったと思っていたCパート(初佳編)も結果的には良かったでしょう。なにしろ陰鬱な話が多いからCパートで息抜きできなかったらただの暗い作品になってしまうところでした。
 絵も音楽も声優の演技も問題ないが故にストーリーの説明不足ばかり気になってしまいます。それでも高評価には変わりありませんが。
 Blu-ray&DVDの売上がよければファンディスク『ハルカナソラ』のOVAで梢委員長編&やひろ編&穹アフター編をやりきって欲しいのですが、難しいでしょうね・・・
 ちなみに私が好きなシーンは最終話のAパートの悠(声・下野紘)と奈緒(声・いのくちゆか)、悠と穹(声・田口宏子)の会話シーン。鳥肌連発でした。ヒロインは矛盾するけど「天女目 瑛(出目金モード)」。むぎゅーってしたい。超したい。



 アニメ FORTUNE ARTERIAL 赤い約束
 放送2010/10〜2010/12 全12話 評価6.0(10点満点6点が及第点)
 18禁PCゲームメーカーの雄の一つオーガスト作品のアニメ化。前作「夜明け前より瑠璃色な」が悪夢のような出来だったため、期待と不安も大きかった今作。
 「乙女はお姉さまに恋してる」や「乃木坂春香の秘密」などで敏腕を振るった名和宗則監督の手腕はさすがで懸念だった作画も最後まで荒れず、それ関しては無難に乗り越えたと言っても良いでしょう。なにより失敗の許されない中での登板だったのでこれ以上責めるのは酷です。
 ですが、シナリオは根本的に長くて複雑なFORTUNE ARTERIALを12話に収めるのは全体的に無理がありました。これは二期セパレート方式の第一期のEDなのか?と思わせるようなエンディング。何より主人公の支倉孝平とメインヒロインの千堂瑛里華が恋仲に発展する寸前で終わってしまったのは恋愛モノとしてはいかがなものか(つまり告白シーンもキスシーンも皆無)。
 これはもうすぐ発表されるであろう第二期で「何処にも行けるけど帰る場所の無い主人公」と「帰る場所はあるけれどどこにも行けないヒロイン」が二人で障害を乗り越えてハッピーエンドになるという流れになると判断しても良いのですよね。そうでなければ12話見てきた人たちが浮かばれません。
 追記ですが、「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束 最終回直前スペシャル!!」では生天目仁美さんと田口宏子さんが自然体過ぎてむしろ良かったです。