時代の終焉、それとも始まり

 生で見たというイメージというのは非常に大切です。私にとって王・長島・マラドーナといった選手がどれほど凄いと言われてもやはりジダンイチローのイメージには叶いません。
 私の大好きな声優、川澄綾子様は私が高校生の時にデビューし、それから今に至るまで素晴らしい活躍をしています。大学時代に見たアニメのほとんどは彼女が出演していたアニメですし、随分前になりますがサイン会に参加して握手をしてもらったこともありました。私にとって川澄綾子様は「川澄綾子」というイメージに他なりません。 
 先日発売したばかりのCDシングル「Scoop!(初回限定盤)」は川澄ファンの私にとって一つの区切りになった作品になりました。これは文化放送で毎週火曜日深夜1時から放送している、「PONY CANYON STYLEまるなび!?」のOPテーマとなっている曲です。
 歌っているのは、川澄綾子様と事務所の後輩でもある人気声優、能登麻美子さん。ラジオのOP・EDなのでもちろん曲は知っているのですが、大満足の出来であると共に、もうこのような曲を出したり、DVDでPVを出したりすることはないのだろうなと、一抹の寂しさも感じました。
 川澄綾子様はデビューして約10年。能登麻美子さんも、もうデビュー7年になります。どんなに彼女たちの凄さを叫んでも、きっと彼女たちは既に声優としての「旬」は過ぎていて、時代は新しいヒロインを求めているのかもしれません。
 私の人生は決して素晴らしい物ではありませんでした。それでも川澄綾子能登麻美子といった声優史の中でも稀代の名手のデビューと全盛期に立ち会え、高校生・大学生の時期に彼女たちの声を聴き続けられることができたことは間違いなく素晴らしく、そして充実していたと断言できます。